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モ​ノ​ロ​ー​グ​の​化​石

by 海の上のプールサイド

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1.
俺は逃げていた サイレンの止まない街で お前を見つけた 魂を吸いとって咲く悲しい花 俺とお前はずっと 昔に会っていた気がする 草むらの中で抱き合って 広い宇宙を見ていた気がする ちぎれた身体を お前が拾ってくれないか 名前も無い路地裏に咲く 狂ったように赤い花 いくつもの夜を越えて 俺たちは旅を続けた 砂漠の真ん中で迷子になって 食料も尽きてしまった 月のかけらさえ見えない闇の中  俺は人生の終焉をむかえようとしている 今夜 もう一度俺のために涙を流してくれないか 名前も無い砂漠に咲く 夜にしか咲かない花 骨になった俺をどうか お前の一部にしてくれないか 失うことで満たされる 魂を吸い取って咲く美しい花
2.
彼女がくるりと後ろを向いて 振り返ったら鰐になった 暑い真夏の昼下がりに 眠ったところを狙われた 砂浜を走った 裸足のままで サンダルはどこかに置き忘れたまま 空色の水着を着た君は 振り返ったら鰐になった 笑いながらふたりで駆ける白い夢の風景 僕は君に食べられるだけ 骨すらも残りはしない 僕の可愛い小さな悪魔 とぼけた顔してひなたぼっこ 彼女がくるりと後ろを向いて 振り返ったら鰐になった 儚く空に消えていくシャボン玉のように あっけなく壊れて弾ける 生きていた頃の思い出 誰も君の本当の姿を知るものはいない 僕は君に食べられるだけ 骨すらも残りはしない
3.
一体 それは何のために生まれたのか 誰が何を思って作ったのか それは何を知らせているのか なぜそれは原始の記憶を持つのか 互いに交わりあい周り続けるのか 今も この先も ずっと前から ああ 空には 二つの太陽 我を忘れて立ちすくむ 一体それはどこからきたのか なぜ争いごとが起きるのか 今も この先も ずっと前から ああ 空には 二つの太陽 生まれては死に また蘇る ああ 空には 二つの太陽 はじまりとおわりを結んで燃える
4.
そっと 滑り込ませて 気づかないうちに 侵入している 悪い癖 無くした記憶 埃をかぶった置物みたいに 僕は最後に鳥を見た 鈍色の空を舞う黒い鳥を見た 待ち構えているのがわかるよ 君らにとっちゃご馳走だろう どうか僕も連れていってほしい 一度空を飛んでみたかったんだ いつだって環境を変えるのは、事件なのさ 僕は最後に鳥を見た 僕の目をくわえて飛び去る 黒い鳥を見た
5.
きみはサトウキビの間を駆け抜けていく ぼくは 追いつくことができない うだるような暑い真夏の夕暮れ きみは立ち止まって ぼくを待っている きみはそこで なにをみつけたの 羽のちぎれた蝶の死骸に 蟻が群がっていたのか 夕日がそばかすだらけの頬を照らす きみは目を細めている ぼくを見ているのか あるいは何も見えてはいないのか たんぽぽの綿毛が風に吹かれて それと一緒にきみの姿が消えたように見えた ぼくは きみは そこに存在しているのかどうかすらも あいまいな 過去と未来の間にいる きみはそこで なにを思っているの 茜色に覆われた この世の最後を想像しているのか

about

先行シングルとして配信されている「二つの太陽」を収録している今作。
今までの曲には見られなかった、クラシカルかつフォークサウンドが特徴の「わに」。
物語性のある歌詞と轟くようなドラムが印象的な「夜に咲く花」。
夏の夕暮れを背景に終末観を漂わせる「エウレカ」。
うねる歪んだベースとパッセージの速いヴァイオリンが際立つ「鳥」を含む全5曲。

曲全体の世界観は、これまでの作品をベースに、より形而上的、哲学的な内容で構成され、
わかりやすい平坦な文章の裏には、いくつもの解読のヒントが隠されている。
願わくば、聴くたびごとに新たな発見のあるアルバムとなってほしいと願う。

credits

released November 29, 2017

海の上のプールサイド

Vocal,Guitar:佐藤信一
Bass:加藤学

support member
Violin : 中條日菜子
Drums : 篠田千寿

Recording / Mixing / Mastering:佐藤信一
Drams recording :石野洋一郎(Crunch stadio)
recorded at Crunch stadio,sound studio NOAH kichijoji
JKT artwork:加藤学

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海の上のプールサイド Tokyo, Japan

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